The Millennium Wolves ミレニアム・ウルフ アルファの野望2 - 表紙

The Millennium Wolves ミレニアム・ウルフ アルファの野望2

Sapir Englard

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Chapter
15
Age Rating
18+

Summary

シエナとエイデンは、制御できない野性的欲望と情熱の瞬間に、本能を解き放ち、お互いに傷を付け合ってしまう。関係を深め真の絆を築くべく、エイデンはシエナに自分のことをもっと知ってもらおうと彼女の両親に会いに行く。また、エイデンはロマンチックなデートも計画するが、制御不能な魅力が二人を蝕んでしまう。彼らはより深い絆を築くことができるのか、それとも本能が二人を引き裂いてしまうのか―。

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魅惑的な振る舞い

彼女を見つけるのはそう難しくなかった。シエナの魅惑的な匂いは、真っ暗な海にそびえる灯台のように俺に方向を示してくれるからな。

女子トイレにたどり着き、ドアを開けようとしたとそのとき、彼女のうめき声が聞こえた。その声で、彼女が何を渇望しているのか俺にはよくわかった。

シエナは今年のパートナーをまだ決めていなかったんだ。

彼女に聞こえないように小声でささやきながら、ドアを開け中に入った。

何をやっているんだ。こんなことしていいはずがない。

急に無言になったので、俺に気づいたのだろう。俺の本能をくすぶる彼女の匂いに包まれながら、張り詰めた低い声で言った。

「お前、いやらしい匂いがするぞ」

彼女は何も答えない。そのしおらしい態度で、思わず個室のドアを破壊してしまいそうになったが、今は我慢だ。

もし彼女が本当に従順な子であれば、そんな暴力的なことは好まないはずだ。

慎重に言葉を選ばなければならなかったので、少し雰囲気を和ませてみようと試みた。「あの瞬間は、誰にも予想できないからな」

俺を落ち着かるため、きっと礼儀正しく返答してくるだろうと思っていたが、予想していなかった言葉が返ってきた。「何がおっしゃりたいの?」

俺は思わずまばたきし、驚きで耳がピンとなった。全然従順な子じゃないじゃないか。今までただの1人として、俺にそんな口を効いたことがあるやつなんていやしない。例え興奮状態にあっても、そんな度胸のあるやつはいなかった。なぜなら、

おもしれぇ。俄然興味が湧き、もう少し探ってみることにした。今度は少し、キツく言ってみよう。「その匂いをどうにかしろと言っている」

これでやっと、彼女もこの状況がヤバイってことが分かるだろうな。俺が、部下に敬意を払うよう命令するときに使う口調だからな。

さて、問題は彼女がどう反応するかだ。引き下がるか?あるいは、俺に楯突くか?それとも、このアルファの前で発狂するか?

そしてついに答えが分かった。「あなたに一体何の権利があって、私にそんな口の利き方をなさるのかしら?」彼女は怒りを露にしたのだ。「女子トイレに勝手に入ってきて、私に落ち着けと偉そうに指図?何様のつもり?」

彼女が俺に楯突いた瞬間、全てが限界に達した。全身は燃えるように熱く火照り、血管は大きく浮き上がり、俺のペニスは猛々しく反り上がった。

そのあとの数分間の記憶はまだらだ。さっきまで、個室のドアは何ともなかったのに、気付けば散々な状態。そしてシエナは俺に目の前に座っていて、目を大きく見開き、膝は隠すように内側を向いていた。

青く燃え盛る瞳、汗でツルツルした肌、見事なまでに美しい顔を縁取る髪。

もう俺の言葉は、彼女への欲望で溢れかえっていた。「俺が誰だか分からないのか?」「だったら力づくで分からせてやる」

彼女が再び興奮しているということは、匂いを嗅ぐまでもなかった。俺の体が全身でそれを感じていたからな。

彼女はもう、欲しくてたまんないのさ。だから今、俺がその飢えを満たしてやる。

半ば錯乱状態で、俺は個室に足を踏み入れる。彼女は息を切らし、口ごもりながら言った。「な、何をするつもり?」

「俺が誰だか知ってるくせに」俺はさらにもう一歩踏み出し、彼女への欲情はもう止められなかった。「言ってみろよ」

彼女はグッと息を飲み込み、そして答えた。「あなたは...アルファ」

俺は思わず唸り声をあげた。この瞬間、俺が最も望んでいなかった答えだったからだ。俺は今、彼女のボスにも、上司にも、リーダーにもなりたくなんかない。ただただ、彼女のパートナーになりたかった。

「俺の名前は!?」

彼女は首を横に振り、目を大きく見開き、隙を見て個室から出ようとしたが、俺は腕で彼女の出口を塞いだ。

お互いにこの興奮は感じていた。大人しく身を任せればいいものを、彼女は興奮を抑えることができた。なぜ、そこまでして自分の欲望や本能に逆らおうとするのか。

「何を恐れているんだ?」

彼女は手を押しのけようとしたが、それはただ俺をさらに興奮させるだけだった。本能的に彼女の手首をつかんでしまっている。

「お願い...離して」

彼女の震える声が俺の興奮に水を差す。なぜそうも抗おうとする。お互い快楽を求め、欲望を解き放ちたがっているというのに。

すると、俺は我慢できずに唸り声をあげた。「この俺に命令するつもりか!?」

「お願いって言ったでしょ?」

そうだ。確かに言った。彼女は離してくれと俺に頼んだんだ。だが、彼女の目に宿る欲望を無視することなんてできなかった。

頼むから...(自分に対して)落ち着いてくれ。だが...もう限界だ。ほんの少し...ほんの少しでいいから味わいたい。

一息つこうとしたが、それは間違いだった。彼女の指から出た、フェロモンたっぷりの甘い蜜の匂いがした。今までずっと、彼女の中に秘められていた蜜だ。

夢の中にいるように、俺はまだ湿っている彼女の指を鼻に近づけ、深く、そしてじっくりと息を吸い込む。俺は快楽の海に溺れそうになった。

気がつくと、俺は囁いていた。「お前は...」

「この感覚を抑えようとしてるの。あなたの命令通りに」と彼女は続けた。

「なぜだ! 俺ならお前をもっと気持ちよくさせてやれるのに」彼女の唇に視線を落としながら、俺はこの興奮に身を委ねた。彼女の唇が大きく開きはじめた。まるで、これ以上抗うことを諦めたかのように、彼女は喘ぎ声をあげた。

俺は屈強な男かもしれないが、この喘ぎ声にはかなわない。

我慢にも限度ってものがあった。最愛のパートナーが、自分の目の前で快楽を感じ、喘いでいるのだ。もう何も、俺たちの邪魔はできない。

すかさず、俺は彼女の体を壁に押し付けた。シエナも抵抗することなく、俺の熱くなった体に両脚を絡みつけてきた。

自分の胸と壁の間に彼女を閉じ込め、俺は胸の奥で唸り声を上げながら疼く膨らみを彼女の開いた脚に当てがった。

彼女は俺から逃れようとしているのではなく、まだこの興奮から解放されたくないからもがいているのだ。だが、この子にはそれを感じてほしい。

彼女の目が快楽で満たされていく。それを味わってほしかった。

そして最後には果ててほしかった。

俺は良心を失い、思考もとっくに停止していた。だが、もう少し集中せねば。

俺の視線は、彼女の首と肩の間のある1点に引き寄せられた。その脆く露になった肌は、俺を挑発するかのように誘惑してくる。

俺はその甘い蜜の部分に唇を押し当て、貪るように舐めた。渇ききった彼女に対する俺の欲情を、まるで癒してくれるかのような彼女の酸味のある汗を1滴残らず、味わい尽くした。

彼女は何か言ったのだが、あまりに息が荒く、そして俺はその蜜を吸うのに必死で聞き取れなかった。

雄々しくそそりたったペニスを、しっとり濡れた下着に押し当てた瞬間、彼女の喘ぎ声と俺の唸り声が響き合う。

俺の両手はまるで意思を持っているかのように動き始め、彼女の手首から麗しい体の側面を滑り、ついにドレスの下の柔らかいお尻を掴んだ。

彼女は俺の疼く膨らみに向かって突き始め、我を失ったかのように首に手を回した。

もうこの子は俺のものであり、俺の思い通りに動く。

彼女はもう快楽に身を委ねるしかない。俺も同じだ。そして今や、彼女は俺の欲望に抗いはしない。そろそろ...

今までとは毛色の異なる彼女の喘ぎ声に、一瞬ハッとさせられた。彼女は今、快楽に溺れながら俺に突いているのではなく、むしろこの快楽に終止符を打とうと身をよじっていたのだ。

だが、彼女の快感は絶え間なく続いている。

「どうした?」俺は苛立ちながらも、彼女の悪ふざけが嫌いではなかった。

彼女は俺を睨みつけながら言った。「離し...て。今度は本気よ」

「本当にいいのか?」とからかいつつ、もう1度彼女を突き上げた

彼女は明らかに葛藤しているようだった。「あなたが、あのアルファであることは分かってる。従わなければいけないということも。でも...」

「従わない」彼女のかわりに言い終わると、勝手に口がにやけた。「知ってるさ。それでいいんだ」

彼女の挑発の仕方は、まるでゲームのようだった。しかもそれを相当得意としている。相手にとって不足なしだ。

彼女は不服そうに顔をしかめ、不安げな表情になった。どうやらここまでのようだ。

興奮はまだ絶頂には達しておらず、獣としての本能も彼女と一緒に果てたいと思っていたが、心の中の何かが「今は手を引くべきだ」と俺に伝えていた。

だから俺は引き下がり、満たされぬ欲望を押し殺してドアを開け、彼女を逃した。

今回は俺が負けを認めてやったが、まだ終わってなどいない。むしろ始まったばかりだ。彼女が一瞬だけ俺の目を見つめたとき、俺は目だけでそう伝えた。

すると彼女は一瞬だけうつむき、まるで俺が信じかけた従順な女であるかのように態度を豹変させた。

すべて彼女のシナリオ通りだった。俺は、まんまとこいつの手のひらの上で踊らされていたんだ。挙句、俺はさらに彼女を求めるようになり、彼女の匂い、彼女の味、彼女の肌触り以外何も考えられなくなった。

彼女が去っていく背中を見ながら、俺の中の内なる獣はオ唸り声を上げた。以前にも増して、孤独を感じる。果たすべきことを、果たせなかったのだ。

彼女が恐れていることとは裏腹に、俺は決して彼女に無理強いしたりはしない。

決して傷つけたりもしない。彼女が逃げたがっていたから、俺は逃してやったんだ。例え、あの子の体は俺と離れたくなかったとしても。

だが、今や俺の望みはセックスだけではなくなった。あの子はまだ誰とも契りを交わしておらず、他の獣(けだもの)達の標的になる危険があったのだ。

この季節、あいつらは死に物狂いで彼女を手に入れようとするだろう。自分の最愛のパートナーを守るためには、方法は1つしかない。

"俺だけのもの"にするんだ。

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